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カネコアツシ / SOIL
SOIL (1)SOIL (2)
やっと読んだのだけど、すげえ面白い。
正直、今までカネコ氏の作品をちゃんと読んだことが無かったので、絵とか雰囲気だけの人だと勝手にイメージしてたのだけど、話っつうかストーリーもめちゃ上手いんですね。カネコさんすみません。アンタ読ませるぜ。

よくある地方都市のベッドタウンで、原因不明の停電により街全体が暗闇に包まれた夜、その街に住む親子三人の一家が忽然と姿を消すことから始まる奇怪なミステリー。

設定やキャラクターなんかは、大友克洋氏の『童夢』にけっこう近いところがあるなぁと僕は思うのだけど、
僕は昔っから、団地とかベッドタウンとかっていういわゆる(郊外にあるような)集合住宅地ってものに、妙な不気味さというか気味悪さみたいなもんを感じていたので、その辺が象徴的に描かれている(と思う)『童夢』はすげえ好きな作品なのだけれど、この『SOIL』もだいぶいい具合にその不気味さが描かれていると思います。
序盤、7ページにわたって描写されるベッドタウンの風景、おそらく建売りであろう住宅、そしてそこに暮らす善良で幸せな家族のイメージは、きちんと揃った同じ大きさの4コマで区切られることで、不気味なほどに画一化された集合住宅地の様子を意図的に表現している(と思う)し、
物語が進むにつれ徐々に浮かび上がる“善良な”住民達(自治会長やおばさん達)の裏の顔_エゴやヤラしさ、狂気_がジリジリと怖いです。

『童夢』にしろこの『SOIL』にしろ、やっぱり僕が惹きつけられてしまうのは、普段何の疑いもなく普通に暮らしている日常の中で、突然ポコっと口を開くエアポケットみたいな真空状態の恐怖や得体の知れない異物感と、それに触れた時に一気に噴出す“善良”の裏側で蓄積されてきた人々のエゴやヤラしさや狂気なんかの怖さ(いや、逆にそういうもんが普段、“善良さ”つう表面で上手く隠されてるってことの怖さかな?)をすごく上手く描いているからなんではないかと思います。
(余談ですが、僕ぁおばさん達のネットワークやヒソヒソ話、そしてその情報の速さが恐ろしく怖いですw。)

話は少しズレるかもしれませんが、森達也氏の『A』なんかを読んでいても感じるように「自分は普通。自分は正しい。」と100%信じ込んでしまうこと、そう信じ込んで日常を暮らしていることほど、恐ろしいもんはないんではないかと。そう信じ込むことで(或いはそんなことを考えることもないまま)普通に行われてしまう攻撃・中傷、正当化されてしまうエゴや悪意。
「ばーか。“普通の人”なんてもんはどこにもいねえんだよ。」
事件を担当するベテラン巡査部長横井(ヅラ)の言葉がグッときます。

なんだかこうダラダラと思いついたことを書き連ねてしまいましたが、
要するに、コレすげえ面白いですヨと。
謎が一個解けちゃぁまた怪しいやつが出てきたり、今後もビリビリした展開が期待できそう。
ウムム。早く先が読みたい。

まぁ、とりあえず、主人公(?)の小野田女史(厚眼鏡、クセッ毛、人見知りとだいぶ良い具合のモッサリ感)が、眼鏡を取ったら超美形とか、ホントはすんげえ才能を秘めているとか、予定調和な展開をみせることなく、今後もただモッサリと描かれ続けてくれることを、個人的に望みます。ハイ。
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